2010年12月8日水曜日

2010年12月8日(水)朝日新聞の朝刊に掲載

◆asahi.comマイタウン千葉版より
 
http://mytown.asahi.com/areanews/chiba/TKY201012070354.html



【ダイビング時の「減圧症」歌で防げ 注意点、歌詞に】2010年12月8日

 

「吐く泡よりも、ゆっくり浮上」。テンポのよいメロディーが流れる「減圧ソング」が人気だ。ダイバーのため、館山市で6月に開かれた、潜水医学講座・館 山セミナーがきっかけで生まれた。11月5日にCDが出てネット配信も始まり、「価格.com」の注目度ランキングで一時、CD11万7376件中の8位 につけていた(11月16日)。

 館山セミナーは6月26日、南総文化ホールで開かれた。潜水医学の第一人者、山見信夫医師が「ダイビングによる減圧症の予防と対策」と題して講演し、県内外から約200人のダイバーが参加した。

 減圧症は、ダイビングすると高い水圧のもと体内に溶け込んだ窒素が、急浮上などのため気泡となることで発症する。手足のしびれ、首や肩のこり、腕や足が 重いなど関節痛や筋肉痛となり、息切れ、胸の痛みにもつながる。重症化すると神経系の損傷や後遺症も心配される、という。

 予防には、ゆっくりと浮上すること、水深5メートルほどで3分間ほど「安全停止」しながら運動するのが有効という。山見医師の話を聞いたダイバーたちが「安全停止が楽しくなるような歌があるといいなあ」と言いだした。

 作詞は潜水仲間の「もんがらたつこ」さんが担当した。作曲は、貧困や戦争、環境問題を歌ってきた3人組の音楽ユニット「kyat(キャット)」の山口芳明さんだ。

 「減圧ソング」はきっかり3分間。安全停止を守ることも歌い込んだ。山見医師は「海の歌は多いが、ダイビングの歌は初めて」と絶賛した。セミナーで披露されたあと、振り付けも工夫して踊りが生まれた。さらに姉妹編の「耳抜き音頭」も作られた。

 7月に館山の海岸で開いたキャットのライブは「減圧ソング」の歌と踊りで盛り上がった。ホームページを開設、CD売り上げの一部を日本水難救済会の「青い羽根募金」に寄付する手続きもした。

 CDが全国発売されると、各地のダイビング専門店やダイバー仲間のメールやブログを通じて、じわじわと人気が広がった。キャットのメンバーのひとり、木 村恵さんは「全国には約35万人のダイバーがいると聞きました。安全のため歌って踊ってもらえたら本当にうれしい。実際に海中で安全停止しながら踊った方 もいらしたみたい」と話している。

 
「減圧ソング」のCDは千円。
問い合わせは、ビーフラット(電話03・6228・1881)へ。

    

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「減圧ソング」

 
作詞:もんがらたつこ 作曲:山口芳明


たのしかったね、今日の海 ~